blog虫歯になりそうな歯を経過観察する意味って?
2024.02.21
兵庫県川西市久代4丁目2−10
芳野博
https://www.yoshino-dc.info/doctor.html
皆さんは定期的な検診には行っていますか?
検診の際、
「ここは虫歯になりそうですね、経過観察しましょう。」
「黒くなっていますが虫歯ではないので様子を見ましょう」
などと言われたことはないでしょうか。
なりそうなところもいっぺんに治療してくれたらいいのに、と思われたかもしれません。
しかしこれには理由があります。
今回はこちらの疑問にお答えしたいと思います。
そもそも虫歯とは、「歯の表面が虫歯菌の酸によって溶かされ、穴が空いている状態」のことです。
この穴が空いているかどうかが重要で、上記の虫歯になりそうな部位、
黒いけど虫歯でない部位というのは「歯の表面が酸に溶かされ弱っているが、まだ穴は空いていない状態」なのです。
この状態は放っておけばそのまま虫歯になってしまう可能性が高いですが、しっかりブラッシングをしてもらったり、
フッ素を適切に使用したり、食習慣を改善して虫歯リスクを下げれば、「再石灰化」といって再度丈夫な歯に戻すことができます。
削って治療せずともお体の力で治すことができる、ということです。これは穴が空いてからはできません。
これだけでも削ってしまうのが勿体なく感じてきたと思いますが、削って詰めること自体にもデメリットがあります。
というのも、削った部分は何かしらの材料を詰めることになるのですが、詰めた部分は歯と詰め物の境目が確実に存在することになります。
この境目はどれだけ精密にくっつけても、いずれ徐々に剥がれてくることで小さな隙間になり、
そこから新たな虫歯が進行するリスクになるのです。これを2次カリエスといいます。
特に保険適応内のレジン(白いプラスチック系の材料)や銀歯(銀の詰め物や被せ物)では頻発します。
2次カリエスになるとより大きい詰め物が必要になってきますので注意が必要です。
このような理由から、無闇に怪しいところを全て治療するのではなく、
確実に虫歯と言える状態になってから治療するのがおすすめです。
気になるところがありましたらお気軽にお声がけください。
兵庫県川西市久代4丁目2−10
芳野博